びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

久し振りにグリム童話を読んだ

 前回の記事でラプンツェルのことを思い出したので、家にあったグリム童話全集(全3巻)をあらためて読んでみました。この本は、子どもの頃従妹の家から譲ってもらったもので、今は絶版となっています。

 とりあえず有名な話を適当に選んで読みました。その一部を紹介。

「兄さんと妹」:愚かな兄としっかり者の妹の話。兄が鹿になってしまう。悪い魔女、意地悪な継母、王様との結婚と、グリム童話の定番。

「ちしゃ」:ラプンツェル。調べたら初版ではしっかりと性行為についての描写があったらしい。王子が結構ひどい目に遭っている。こちらもグリム童話の定番。これを読むと、ちしゃを食べてみたくなる。

「灰かぶり」:シンデレラ。ディ〇ニーアニメで有名。でも結構違いますね。アニメの方もはっきりとは覚えていませんが。代名詞ともいえる「ガラスの靴」は出てこないし(その代わりに金の靴で踊る。最終夜は純金の靴。重そう)、魔女もかぼちゃの馬車も出てきません。一番ひどいのは父親だと思う。

「七わのからす」:父親のうっかりした呪いによってカラスになってしまった7人の兄を探すために旅立つ妹の話。兄のために自分の指まで切り落とすような、健気な妹です。自分が生まれたから兄が呪われたと思っていますが、そもそも父親が悪いのでは…。

「六わの白鳥」:魔女の呪いで白鳥になった6人の兄(王子)を救うためにひたすら約束事を守る妹。定番の話ではありますが、ひなぎくを縫い合わせた肌着や白鳥など、美しい色合いを感じます。6番目の兄だけ片腕がなく、白鳥の羽が生えた状態で戻ってしまったのが切ない。一言も口を利かない素性の分からない女性と結婚して3人の子どもをつくる王子はすごいと思う。

「いばらひめ」:これもディズ〇ーアニメで有名ですね。100年間止まった時間が再び動き始める瞬間が印象的。王子は特に苦労しない。

「ねずの木の話」:ホラーです。映像化したら確実にR18指定されます。虐待するえげつない継母(継子を殺す、実子に自分が殺したと思わせる、殺した子どもをスープにして夫に食べさせる等)が出てきますが、腹違いの妹はすごくいい子です。首に石臼をはめて飛ぶ小鳥など、ツッコミどころも満載。

 

 王子様が初対面の女性に一目ぼれしてそのまま結婚という流れが多いですね。そんなことで、国は大丈夫なんだろうかと思わずにはいられない。おとぎ話は何でもありだ。

 まだ全部読んではいませんが、1話が短く、内容も頭に入って来やすいです。また、淡々とした文章で書かれているため、残酷な描写がさらっと読めます。あっさりとしている分想像の余地がたくさんあって、却って怖いですが。