びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

続・最近読んだ漫画(人形師の夜、かたつむり前線)

 やらなくてはならない仕事が溜まりすぎて、気分が落ち着きません。早く終わらせたらいいのですが、なかなか進みません。おまけに余計な(?)トラブルや仕事が入ってくるので、ずっとザワザワしながら過ごしています。

 

 とりあえず全部片付いたら、ゆっくり本が読みたいです。

 

 最近読んだ漫画について。今回は2作品だけです。ちょっとだけ感想みたいなものを書いています。

 

■ 人形師の夜(橘裕)全6巻(未完…?)

 心や体が何かに囚われている人々が、人形師から人形(からだ)を借りて思いを果たすオムニバス作品。人形を借りている人たちのほとんどが死者であり、切ない終わり方が多いです。純粋なハッピーエンドはほとんどありません。久し振りに読みましたが、泣けるものも多かったです。

▪ 1巻

 「神様ヘルプ!!」と「闘う男」は覚えていました。「神様ヘルプ!!」は主人公のライバルの漫画家のキャラが濃すぎて覚えていたのだと思います…。

▪ 2巻

 「最愛のあなたへ」が一番記憶に残っていました。個人的には母親が一番問題だった気がします。最愛の娘を失って精神のバランスが崩れたのは理解できますが、残された妹のことを考えると残酷すぎます…。あとは「ピロー・マーチ」。おばあさんのキャラが強烈だったので。

▪ 3巻

 「君といつまでも」と「最後の夏休み」の2作品と「ダブル」という短編が収録されています。この巻はどのエピソードも覚えていました。「最後の夏休み」は本当に切なかったです。

▪ 4巻

 「そんなおまえを殺したい」がやたら印象に残っていました。主人公の女の子の拗らせ具合は共感できる部分もあったんですよね…。

▪ 5巻

 3つのうち2つが死人なしのハッピーエンド。「流通ロマンス」の女の子が印象的だったので、よく覚えていました。読み返したら「遠い音楽」も面白かったです。

▪ 6巻

 「父 帰る」が一番印象に残っていたのですが、読み返すとどれも切なくて泣きました。「父 帰る」はどうあっても戻ってこない日常を想うと切なかったです。

「Deep Blue」は切ないけれどハッピーエンドでした。社会問題にも触れられており、色々考えさせられるお話でした。偽善的な女の子が登場するのですが、でも実際はこういう「対岸の火事」だからこそ綺麗事が言える人の方が多いのではないかと思います。 

 最後の「君の名は」はなんというか、この作者さんらしい感じの作風でしたが、「タンバリンちゃん」の想いの強さに泣きました。泣き虫のハル君はもう泣かないのだろうなと思います。

 

 この作者の方の漫画は他にも何作品か買っていたのですが、引っ越しを機にかなり手放してしまっていたようです。家にある漫画を見ると、なんでこれが残っているのかというのもあれば、逆に手放さなければよかったと思うものもあります…。これは残しておいて本当によかったです。占い師のお話(?)の「ご主人様とアタシ」もとっておいてよかった。これ、面白くて好きなんです。頭を空っぽにして読めます。

 

■ かたつむり前線(藤川佳世)全7巻

 少し作画の面で気になるところはあるものの、好きな作品です。個人的にはこの方の描く顔(特に瞳)は好きです。

 ストレスでかたつむりになる万能高校生の梶原。主人公の朝子と、朝子の片想いの相手で梶原の親友の佐倉は、梶原の秘密を知ったうえで日常をサポートしている。いちおう朝子の恋の行方を描いたコメディ。

 …なんですが、恋愛色は薄めだと思います。どちらかというと登場人物の心情などに重点が置かれているような感じです。ありえない設定ながら、心理描写などはわりと現実的だなと感じました。あと、考え方が共感できるなという印象。受験生の頃に感じた閉塞感や焦燥感を何となく思い出しました。

 美苗が朝子を想って佐倉に告げた言葉が好きでした。

 

 本棚や漫画ケースを探してみると、忘れていたような漫画が出て来るので面白いです。柳原望さんの「時間旋律」と「コントラクト・キラー」が見つからないので、今度実家で探してみようかと思います。結構好きで、また読みたくなりました。あればいいのだけれど…。