ちょっと時間が空きました。今回は主に時間の経過と魔法について色々。
■□考察(つづき)■□
■ 外の世界での時間の経過
ここで「外の世界」がどの範囲を指すのか難しいところですが、とりあえず私たちの住む世界地図に記すことが可能な世界としておきます。
ドロシーは「オズのエメラルドの都」でオズの住人となるまでに4回オズへ行っています。では、「オズの魔法使い」から「オズのエメラルドの都」までにどれくらいの時間が経過したのでしょうか。
1.「オズの魔法使い」
ドロシーが竜巻でオズへ行く。(それなりに長い時間の経過があったと思われる。どんなに少なくても1か月以上は経過しているはず)
2.帰還後(数か月くらい?)
ヘンリーおじさんが過労で体を壊す。療養のためドロシーと一緒にいとこの住むオーストラリアへ行くことになる。
3.「オズのオズマ姫」
前作ほど長い時間の滞在ではないと思われる。(長くても1か月以内)
4.帰還後
オーストラリアでの生活→ヘンリーおじさんが元気になってアメリカへ帰る。
*ドロシーが随分長い間、と言っているので1か月どころではないと思う。
5.「オズと不思議な地下の国」
せいぜい1~2週間くらい?
6.帰還後
特に何もなくカンサスで生活。
7.「オズへつづく道」
数日~1週間くらいか。
8.帰還後
生活がどんどん苦しくなる。竜巻で失った家を建て直すために農場を抵当に入れていたが、借金の返済が滞ってきたため農場を売却しなければならなくなる。
9.「オズのエメラルドの都」
家族3人(+2匹)でオズへ移住。
ドロシーのオズでの滞在時間の合計自体はそこまで長くなさそうですが、外の世界でどれくらい経過したかというと―1年以上は経っている気がします。むしろ、数年くらい経っていそうです。というのも、ヘンリーおじさんとエムおばさんがどんどん年を取っているように感じるからです。そうなると、たとえばドロシーが初めてオズへ行った時が10歳くらいだったとして、移住した時には12~13歳くらいになっていた…のかな?
とはいえ、ドロシー自体はそんなに成長した感じがないので、1年以内であると考えた方が妥当なのかも。浮き沈みが激しすぎる気もしますが(家の経済状況もそうですが1年に4回の行方不明はさすがに無理があると思う)。
個人的にはドロシーのオズの滞在時間が1~2年くらいあって、周囲の時間はそれなりに経っているのにドロシーだけが成長しなかった方が面白いと思います。
■ 登場人物たちの年齢
作中、具体的な年齢の記載はありません。オズマが14~15歳くらいの外見らしいですが、ドロシー達については何も書かれていませんでした(あとがきに作中ドロシーが12歳くらいと書かれている、とありましたが…どこだったんだろう??)。ベッツィがドロシーより1つ年上、トロットが1つ年下です。また、ボタン・ブライトはドロシーより2~3つ年下らしいです(「オズへつづく道」の時点で)。
■ ドロシーがオズへ移住してからの時間経過について
「オズのグリンダ」までには何年も経っているようですが―。
ベッツィがオズへ来るまではともかくとして、トロットがオズへ来るまでには年単位での時間が経過していたのではないでしょうか。
何故かというと、ボタン・ブライトが初登場時より明らかに成長しているから。ボタン・ブライトがドロシーより2つ3つ年下、ということはトロットより1つ2つ年下となります。ですが、どう考えても初登場時のボタン・ブライトが9~10歳とは思えません。めちゃくちゃ幼くて、幼稚園児みたいな感じでした。
オズの住人となる「オズのかかし」でトロットの冒険に合流した時には、かなりしっかりしていたので、絶対に何年か経っていると思います(キャラ変の可能性は考慮しない)。
■ ボタン・ブライト
いちおう外の世界(フィラデルフィア)出身の男の子ですが、彼自身がとても不思議な存在です。おとぎの国と現実の世界の狭間に存在しているみたい。初めて彼に触れた時はちょっとイライラしましたが、その独特の雰囲気はマザーグースっぽいキャラクターだと思いました。
■ 魔法を使う者たち
● 魔女・魔法使い
基本的には人間。圧倒的に魔女の方が多いと思われる。彼らの魔法には道具や決まった手順が必要となる。なので、手順が間違っていれば魔法は発動しない。魔力というより知識が必要となる。ある程度の素質さえあれば魔法を使うことができるが、オズマがグリンダと魔法使い以外の者が魔法を使うことを禁じている(妖精やユークーフーなどはこの法律の対象とはならないらしい)。
*グリンダは特別な存在な気がします。年齢不詳だし。
● 妖精
基本的に幸せ(というか何らかの恩恵)を与えるための魔法を使う。魔女たちの使う魔法と違い、特別何かの道具や手順は必要とせず無から生じる。相手の使った魔法に法則があれば、その魔法を解くためには法則(手順など)が必要となる。
● ユークーフー
変身を得意とする魔女の一種。普通の魔女とは異なり、人間とは全く別の種族であると思われる。ユークーフーの魔法にも何らかの道具が必要となるらしい。非常に強い力を持つ。
■ 色々な魔法のアイテム
魔法のアイテムさえあればドロシーにだって魔法が使えます。
● 銀の靴
東のわるい魔女が履いていた魔法の靴。ドロシーがカンサスへの帰還に使ったため消滅した。本当は色々な力を持った靴だったらしいが、その力を発揮することはなかった。
● 魔法のベルト
元の所有者はノーム王。身に着けている者の身を守ること、1日に1回願いを叶えてくれること、願った相手を変身させること等ができる。
● 魔法の絵
オズマの部屋に掛けてある絵。自分が見たい景色をリアルタイムで見ることができる。
● 魔法の本
グリンダの所有物。世界で起きたあらゆることが記録されていく。ただし、人が起こした出来事に限られる。
● 魔法の道具の入ったカバン
魔法使い(オズ)が魔法を使うための道具を入れたカバン。
● 銀の王笏
オズマが魔法を使う時に使う。
● 黄金の洗い桶
イップのクッキー職人ケーキが所有する洗い桶。ダイヤモンドが散りばめられた黄金製。呪文を唱えることで大きくなり、人を乗せてオズ国内の好きな場所へ移動することができる。
● 魔法の笏杖とピンクのコグマ
クマ・センターを治めるラベンダー・グマが所有する魔法の道具。<魔法の錫杖>は見たいものの現在の幻を映し出し、<ピンクのコグマ>は尋ねられた質問に対して正確に答えることができる(過去に起きたことのみ。未来については答えてくれない)。
● 魔法のカーペット
グリンダよりオズマに進呈された巻きカーペット。広げると死の砂漠の上を通ることができる道となる。
● トロットの指輪
トロットが人魚からもらった指輪。海で困ったことがあれば、人魚を呼んで助けてもらえるらしい(指輪が活躍したことは一度もなかった)。
● 金のふちなし帽
呪文を唱えると空飛ぶサルがやって来て3回だけ命令を聞いてくれる。空飛ぶサルにとって命令を聞くことは<罰>だったが、グリンダによって解放された。
● いのちの粉
振りかけたものに生命を宿すことができる。これによってジャックや木挽き台の馬、ガラスのネコ、スクラップスたちが誕生した。
● カタマラ水
かけた対象が大理石に変わる。
● 愛の磁石(ラヴ・マグネット)
これを持った者は誰からも好かれる。心臓(ハート)のない者に対しては効果がない。
● 魔法の真珠(あまりオズとは関係ないですが)
ピンガリー王家に伝わる3色の真珠。攻撃、防御、導く力を持つ。
9/30 少しだけ追記しました。