びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

ファンタジーっぽさがあまり感じられなかった続編

 マクドナルドの「お姫さまとゴブリンの物語」とその続編「カーディとお姫さまの物語」を読みました。ファンタジーです。

 買った当時、表紙の絵が少女漫画風でちょっと衝撃的でした。

 

お姫さまとゴブリンの物語 (岩波少年文庫 (2097))

お姫さまとゴブリンの物語 (岩波少年文庫 (2097))

 

 

カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫)

カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫)

 

 

 「お姫さまとゴブリンの物語」はてっきりお姫さまがゴブリンに攫われてカーディーが救う物語だと思っていたのですが、ちょっと違いました。結局お姫さまはゴブリンに攫われなかったし、それ以前にあまりお姫さまはゴブリンとの接触がありませんでした。その代わり、もう一人の主人公である鉱夫の少年カーディが、ゴブリンとずっと闘っていました。感想としては、カーディーがお姫さまを劇的に救った印象はあまりなかったな…と。お姫さまはカーディーをばっちり救っていたのですが。二人の絆は心のつながりよりも、見えない力によって結びついている印象です。二人を導く不思議な力を持つおばあ様(守護霊的な存在で、美しい女性に見える)が、この物語をより幻想的で美しいものとしています。主人公二人をはじめ、王様やカーディの両親がとても聡明で、おばあ様も常に正しい道に導くキャラクターとして描かれていていました。あまり、悪い人は出てきません。

 …続編の方はファンタジー?な感じでした。ありえない生き物や、神秘的で美しい女性の姿をしたおばあ様などは、ファンタジーの要素だとは思うのですが、敵対勢力が人間だったせいですかね。前作のゴブリンと違って、敵である人間は本当に悪いです。ゴブリンはそれでもまだ、悪いけれど愚かでどこか笑える要素がありましたが、まったく笑えないくらい人間が悪者だらけです。前作に出てきた人間は善良な人が多く、愚かな部分があっても悪人ではありませんでした。しかし、今作では一部を除いて全部悪人です。タイトルは「カーディとお姫さまの物語」ですが、お姫さまはほとんど出てきません。物語が半分くらい過ぎたあたりで漸く登場。それでも、前作と違ってあまり行動することがなかったため、影が薄かったです。行動的なお姫さまが好きだったのに、ちょっと残念でした。物語のあちこちで、ファンタジーの要素が散りばめられていたにもかかわらず、人間の醜さ、愚かさが全面に出ていたのと、教訓めいた描写があちこちにあったためか、ファンタジックな印象が薄い。そして、解説にもありましたが、正しい王様が治めていた国がなんでたった1年であんなに堕落したんだ!!そして物語の最後がまた…。どうしておばあ様はカーディとお姫さまの治世以降、国を見捨ててしまったのか。王家の血筋がないと、接触できなかったから?善良で信じる心を持つ人がいなくなったから?…いずれにせよ、人間の性悪説を強く感じました。