「はてしない物語」。上下巻になっていたんですね。
長いので、こちらでも前後半にわけます。
■ あらすじ(前半)
バスチアンは土砂降りの雨の中、古本屋に立ち寄る。そこにいたのは偏屈そうな店主のコレアンダー。コレアンダーが手にしていた本に強く惹かれたバスチアンは、彼が席を外した隙に、本を持ち去ってしまう。本屋から逃げたバスチアンは、学校の屋根裏にある物置で本を読み始めた。本のタイトルは「はてしない物語」といった。それは、ファンタージエンという国で起こる物語であった。
ファンタージエンでは各地で「虚無」が発生して、そこにあったものが消滅するという恐ろしい異変が起こっていた。そのため各地からあらゆる種族の使節が、ファンタージエンを治める女王「幼ごころの君」に救いを求めてエルフェンバイン塔に向かっていた。
エルフェンバイン塔に集まった使節たちは、幼ごころの君が病気であることを知る。医師カイロンは、女王の権威のしるし<アウリン>を勇士アトレーユに届けるよう託される。アトレーユだけがこの国を救う方法を見つけられるというのだ。
カイロンからアウリンを託されたアトレーユは愛馬アルタクスと旅に出る。同じ頃、別のところでは、暗きけものが現れ、何かを見つけて駆け出して行った。
太古の媼(おうな)モーラに会いに行く途中、アルタクスは沼に沈んでしまう。アルタクスを失ったアトレーユは、一人で沼を進みモーラの元に辿り着く。そして「女王には新しい名前が必要である」「ファンタージエンの生きものには名前を付けることはできない」「名前を付けることができる者については、<南のお告げ所のウユララ>が知っている」ということを聞き出す。
死の山脈に迷い込んだアトレーユは、<群集者>イグラムールが<幸いの竜>を襲っているところに遭遇する。イグラムールの毒を受けることで、アトレーユの望む場所へ瞬時に行くことができるという。アトレーユはイグラムールに噛まれて南のお告げ所へ行くことを念じる。
アトレーユが辿り着いた場所には、毒の秘密を聞いて逃げてきた<幸いの竜>フッフールもいた。毒に冒されて瀕死になる両者だったが、地霊小人の夫婦に助けられる。そして、回復したアトレーユは三つの神秘の門を通り抜けてウユララのお告げを聞く。ウユララによると「外国(とつくに)にいる人の子が幼ごころの君に新しい名前をつけることができる」という。
アトレーユはフッフールに乗ってファンタージエンの国境を探そうとする。しかし、あまりにも広大なファンタージエンでは国境を見つけることはできなかった。そんな中大風坊主たちに吹き飛ばされたアトレーユは、フッフールと離れ離れになったうえ、アウリンを失ってしまう。
アトレーユが辿り着いたのは化け物の町だった。アトレーユはそこで出会った瀕死の人狼グモルクから、この世界の秘密を聞く。それによると、ファンタージエンの住人が人間の世界へ行くと、彼らは人の心を惑わす虚偽(いつわり)となり、ファンタージエンに戻ることはできなくなるというのだ。そして、グモルクはファンタージエンとは別の世界の生き物だった。ファンタージエンを滅亡させようとする者の命により、アトレーユを狙っていた<暗きけもの>だったのだ。グモルクは絶命しながらアトレーユに噛みつく。アトレーユは虚無に取り込まれそうになるが、危機一髪フッフールに助けられる。
エルフェンバイン塔に向かったアトレーユは、もくれん宮にいる幼ごころの君と会う。つとめを果たせなかったと項垂れるアトレーユに、幼ごころの君は彼が救い手を見つけてきてくれたと言う。物語を通してアトレーユとともにあったバスチアンは、新しい名前を思いついていた。しかし、どうしてもその名を呼ぶことができない。幼ごころの君は最後の手段として、<さすらい山の古老>のもとを訪れる。古老はその力で永遠に終わらないバスチアンの物語を紡ぎ出す。とうとうバスチアンは「<月の子(モンデンキント)、今ゆきます」と叫んだ。
■ 登場人物
▪ バスチアン
主人公。バスチアン・バルタザール・ブックス(B・B・B)。容姿に恵まれず、成績も運動神経も悪く、気弱な、とにかく取柄のない少年。唯一といってもよい長所は、想像力が豊かなところ。10~11歳くらい。母親を亡くしており、父親はネグレクト気味。いじめられっ子。
▪ コレアンダー
たまたまバスチアンが立ち寄った古本屋の店主。カール・コンラート・コレアンダー(K・K・K)。偏屈で子供嫌い。バスチアンが店に入った時「はてしない物語」を読んでいた。
▪ アトレーユ
幼ごころの君にファンタージエンを救う勇士として選ばれた<緑の肌族>の少年。10歳くらいで、オリーブ色の肌、長い黒髪を一つに束ねている。勇気があり、誠実で忍耐強い。
▪ フッフール
幸いの竜。翼を持たず、水の中を泳ぐ魚のように空を飛ぶ。真珠貝色の鱗で覆われ、頭は獅子に似ている。すばらしい歌声の持ち主。おおらかで優しく、アトレーユを励ましてくれる。非常に前向きな性格。
▪ 幼ごころの君
ファンタージエンの核となる存在で、謎に包まれている。フッフールによるとファンタージエンの生きものではないらしい。<幼ごころの君>は通称で、本来は<望みを統べたもう金の瞳の君>。10歳くらいの少女の姿をしているが、年齢という概念は存在しない。瞳は金色で、長く波打つ髪は真っ白。世界を維持する力を持つが、その力が弱まってくると新しい名前が必要になる。
▪ 各地から派遣された使節たち
鬼火のブルッブ、豆小人のユックユック、夜魔のウシュウーズル、岩喰い男のピョルンラハツァルク。ハウレの森で出会い、エルフェンバイン塔で再会して仲良くなり、別れられない仲になる。
▪ カイロン
伝説につつまれているほどの医術の達人。ケンタウロスと呼ばれた種族。幼ごころの君から預かったアウリンをアトレーユに託す。その後、エルフェンバイン塔に戻らず、運命によってまったく別の道に導かれた。
▪ 太古の媼モーラ
<憂いの沼>に住んでいる巨大な高齢の亀。自分に話しかけながら会話する。
▪ 群集者イグラムール
無数のはがね色の昆虫の集まり。毒針を持ち、その毒を入れられた者は一時間で死んでしまうが、ファンタージエンのどこでも望む場所に瞬時に行くことができる。
▪ 地霊小人の夫婦
夫婦隠者と呼ばれる、地霊小人の老夫婦。エンギウックが夫、ウーグルが妻。
・エンギウック
ウユララの研究者で観測所をたてている。ちょっと神経質。ウユララのもとへ行くための助言をくれる。アトレーユが戻ってきた時、ウユララがもう存在しなくなったことを知り絶望する。その後、学問的研究ではないところで一族で最も有名な地霊小人となった。
・ウーグル
医者。おおざっぱで口が悪い。アトレーユの帰還後、エンギウックが観測所に留まる理由がなくなったため、夫婦で旅立つことに。
▪ ウユララ
三つの神秘の門を通り抜けた先にある<南のお告げ所>に存在する。<声>だけの存在で、問いかけはすべて韻をふんだ詩にしなければならない。そしてウユララの答えも歌声として聞くことになる。アトレーユに最後のお告げを伝えると、その存在は消えてしまった。
▪ 大風坊主
北のリル、東のバウレオ、南のシルク、西のマエストリルの四人で、誰が一番強いかを競ってしょっちゅうけんかをしている。
▪ グモルク
ファンタージエンとは別の世界から来たという生き物で、人狼の姿をしている。ファンタージエンの滅亡を謀る者に派遣されてアトレーユを追跡していた。妖怪の国で闇の奥方の計略に嵌り、囚われて瀕死となっていた。
▪ さすらい山の古老
ファンタージエンで起きるすべてを<はてしない物語>という名の本に記録し続けている。幼ごころの君と対極にある存在らしい。
前半はバスチアンとともにアトレーユが主人公の「はてしない物語」という本を読んでいる感覚です。ちょっと「ふしぎ遊戯」を思い出しました。
登場人物の一部について、アトレーユと別れた後に「けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう」という文言が出てくることがあります。そういった登場人物は、緑色の文字にしています。彼らが主人公となる物語…ということでしょうか。ほんの少しだけヒントが書かれているので、それがどんな話なのか知りたくなってきます。読んでいると結構な頻度で出てきて、全部でどれくらいあるのか気になったので、色を変えて書いてみました。後半が終わったら、まとめようかと思います。
