びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

オズのオズマ姫

 オズシリーズ3作目。ドロシー再登場。

オズのオズマ姫 (ハヤカワ文庫 NV 107)

オズのオズマ姫 (ハヤカワ文庫 NV 107)

 

 ーあらすじー

 ヘンリーおじさんとオーストラリアへ行くため船に乗っていたドロシーは、嵐の中海に投げ出されてしまいます。気が付くと、なにやら知らない土地にメンドリとともに辿り着いていたのです。メンドリは何故か言葉を話せるようになっていて、ドロシーにビリーナと呼ばれるようになりました。

 クルマ―(車輪人間)に追いかけられて逃げ出したドロシー達は、チクタクというロボットに出会い、彼らを追っ払ってもらいます。チクタクのおかげでこの土地が<エヴの国>であることがわかりました。また、この国を治めていた冷酷な王様がお妃様と子ども達を地下のノーム王に売り渡してしまったこと、そのノーム王はお妃様と子ども達を置物に変えてしまったこと、そして後悔した王様が自殺してしまったことを知ります。

 チクタクが加わった一行はエヴの国の城へ行き、王様の姪にあたるラングイディア姫に会います。ラングイディア姫は自分のコレクションの首とドロシーの首を取り換えるように言いますが、ドロシーはこれを拒否したために捕らえられてしまいました。その後エヴの国へやって来たオズマ一行に助けられたドロシーは、オズマとともにノーム王のもとへ向かいます。

 地底の国でドロシー達は、ヴ王家の人たちを解放するためにノーム王とのゲームに挑みます。狡猾なノームの前に敗北を喫しかけますが、ビリーナのおかげで全員(ブリキの木こり以外)助かります。そして、ノーム王の持つ<魔法のベルト>を奪い、ベルトはドロシーのものとなります。

 地上へ戻り、エヴの国でお妃様達と別れた一行はオズの国へ帰還しました(ブリキの木こりも見つかった)。ドロシーはオズマに<魔法のベルト>を預け、ドロシーが願えばいつでもオズに呼び出す約束をして、元の世界へと戻るのでした。

 

ー主な登場人物ー

 あらすじでは割愛してますが、今までのメインキャラのほとんどが登場してます;

 *は初登場です。

ドロシー:主人公。主人公らしく、さまざまなトラブルに巻き込まれる。そのためものすごく度胸が据わっており、ちょっとやそっとのことでは驚かない。どんな環境でも順応できるたくましい女の子。

オズマ:元(やんちゃないたずらっ子の)男の子だが、微塵もそんなことを感じさせない完璧なお姫さま。気品があり優しく、高いカリスマ性を持っている。ドロシーとは親友同士。

*ビリーナ:メンドリ。本当はビルという男性の名前がつけられていたが、ドロシーが女性形でビリーナとした。ものすごく気性が荒く、喧嘩っ早い。マイペースで、卵を産む時間は何があろうとしっかり確保する。常識的で頭もよい。オズの国に残る。

*チクタク:考える・喋る・動く、それぞれのネジをまかないと作動しない。1000年の保証付きだけあって、とても丈夫にできている。機械なので、心はないらしい。

かかし:相変わらずのんきで人当たりがいい。自分の知性には絶対的な自信を持っている。いつも問題があった時には解決策を考えてくれる。

ブリキの木こり:なんかわからないうちに軍隊を率いるようになっていた。プライドの高いロマンチスト(ややナルシスト気味)。高い戦闘能力を持っているうえに、器用でなんでも作れる。

臆病ライオン:久し振りに登場。他のメンバーの強烈な個性に押され気味。一番穏やかで優しい性格だと思う。

*腹ペコタイガー:臆病ライオンの友達。いつもお腹をすかせていて赤んぼうを食べたがっているが、良心があるので食べないらしい。最後に食欲がなくなったと言っていたが…?

木挽き台の馬:オズマの愛馬(?)。あるがままの自分を受け止めて生きている。結構賢い。

グリンダ:最後に少しだけ登場。<魔法のベルト>の使い方を教えてくれる。

ノーム王:サンタクロースのような気のいい小太りのおじいさん風の外見だが、冷酷で狡猾。魔法のベルトを持っていた。卵が毒。

執事長:ノーム王の側近。冷静にノーム王に助言する。

ラングイディア姫:ファッション感覚で首を挿げ替える(!!)。30の首を持っていて、自分の美しい顔を見つめるのが大好きであるため、鏡だらけの部屋に住んでいる。政治には全く興味がなく、むしろめんどくさいと考えているので、エヴの王妃たちが戻って来ることに賛成する(自分のことにしか興味がないため協力はしない)。

兵士たち:色々な階級がある。みんなプライドは高いがあまり役に立たない。

 

ーその他ー

☆カンサスでのドロシーの生活環境

 ヘンリーおじさんの体が悪くなってきたため、親戚のいるオーストラリアで療養することになった。エムおばさんはカンサスに残って農場を切り盛りしている。…てっきり3人で細々暮らしていたと思っていたら、雇人までいたらしい。

☆おとぎの国のルール

 <魔法のベルト>も<銀の靴>も、おとぎの国でしか効果はない(存在もできない)。なので、これらの魔法アイテムは元の世界へ帰ると消えてしまう。

☆おとぎの国の地理

 <オズの国>はてっきり砂漠に囲まれた独立した世界だと思っていたら、砂漠を隔てて<エヴの国>があるらしい(イラストでは<エヴ>は<オズ>の西側にあるが、作品を読む限り東側では?と思われる)

☆魔法のカーペット

 絶対に砂漠を越えることは不可能と思われていたが、グリンダに授けられた<魔法のカーペット>で道を作れば通ることが可能。

 

ー感想ー

 1作目の主人公ドロシーと2作目の主人公オズマが出会うお話。映画版オズでは、「オズのオズマ姫」をベースに「オズの虹の国」の要素を入れてる感じでした。ホラーっぽさの原因となったラングイディア姫とクルマーも、こちらでお馴染みの愉快な(?)キャラクターの一部でした。オズは面白キャラクターが多くて、彼らには独特のこだわりがあるので、会話が(ぶっ飛んだ内容で)楽しいです。相変わらずみんな個性的。

 今回で面白かったところ。1つ目は置物を当てるゲーム。これはちゃんとヒントがあるにもかかわらず、なかなか見つからないのが面白かったです。2つ目はビリーナ。今回一番好きなキャラクターでした。ものすごく気性が荒くて、初対面のオンドリに喧嘩を吹っかけて勝つあたりが最高です。そんな彼女ですが、言ってることは的を射ているのです。対ノーム王でも大活躍だったビリーナは今作の最大の功労者だと思います。

 オズは教訓めいてはないけど、考えさせらるところはあるかと。たとえば、ドロシーとビリーナの食に対する考え方で言い合いになる場面。ビリーナが虫などの生きているものを食べることに、ドロシーは嫌悪感を抱きます。しかし、ドロシーは虫を食べて生きているニワトリを食べている、とビリーナは返します。こういう立場の違いによる議論がちょこちょこ出てきます。

 また、オズマ(とドロシー)がノーム王に交渉する流れでは、ノーム王はエヴ王家の人々にひどいことをしている」→そもそもエヴ王が自分の長寿と引き換えにエヴ家の人々を売ったのだ」→ヴ王は自殺して長寿ではなかったから、長寿を与えたとは言えない(長寿を与えていない以上、エヴ王から売られた人々をそのまま受け取っているのはおかしい)」→一度引き渡されたものを受取側が壊してしまっても、引き渡したことに変わりはない(ノーム王は「長寿」を与えているので、結果的に長寿とならなくてもそれはノーム王の責任ではない)」→「・・・(ノーム王が正しい)。それでもノーム王のやっていることは人道的に許されない。代わりの贈り物をあげるからそれで我慢して」→嫌だと言ったら?」→力ずくで従わせます」→やれるものならやってごらん(圧倒的な力の差を見せつける)」→かかしの助言で懐柔策(ノーム王の機嫌を取り、置物当てゲームへ)

  ノーム王は、よくある法に触れないけど人道的にはアウト、そんな人のようです(そもそも人を買って置物にすること自体が問題)。まあ、屁理屈なんですが。ただオズマも武力行使で従わせようとする辺りが、ザ・支配者という気がしました。また、オズマが自分たちがノーム王(地底世界)の宝物を横取りしている、と認識しているあたりが妙に現実的だと思いました。このあたりがオズのメンバーが必ずしも「正義」とは言えないと思えるところです。そういえば、映画版ではドロシーが力で従わせるみたいなセリフを言うシーンがあって、その時「こんな幼い女の子の言うセリフか?」と思ったのですが、原作も似たようなものだったんですね。こういう考え方って、国民性の問題でしょうか…。

 こんなこと書いてますが、ドロシーもオズマも正義感が強くて優しい子です。魔法のベルトの取り合いとかなかったし、お互い張り合ったりしないし、本当にいい子だと思います。最後にドロシーが願えばいつでもオズの世界に来られるようになったのが良かったです。毎回偶然というのはいくら何でも無理があると思う。

 

 

 

 

オズの虹の国

 オズシリーズ2作目。

 今回、前回の主人公ドロシーは出てきません。

 

ーあらすじー

 オズの北の国に住んでいる少年チップモンビというおばあさんに育てられていました。チップはモンビを驚かせるために、カボチャ人間を作ります。しかし、モンビは驚くことなく、魔法の粉をかけてカボチャ人間に生命を与えました。その後、身の危険を感じたチップは、モンビのもとから魔法の粉を持ち出して、カボチャ人間とともに逃げ出すのです。カボチャ人間にはジャックという名前を付けました。それから木挽き台にも命の粉を振りかけてて馬(?)にします。そして、3人はエメラルドの都へと向かいうのでした。が、うっかりチップは馬に振り落とされてしまい、2人において行かれてしまったのです。ジャックと木挽き台は先にエメラルドの都に着き、王となったかかしと会います。

 おいて行かれたチップがエメラルドの都へ一人で向かう途中で、エメラルドの都の王座を狙うジンジャー将軍(女の子)に出会います。ジンジャー将軍は東西南北の国から来た女の子たち(いちおう兵隊。武器:編み棒)とともに、かかしから王座を奪い取りエメラルドの都を制圧するのでした。

 かかしはチップと仲間とともに逃亡して、ブリキの木こりが王となっている西の国へ助けを求めます。ブリキの木こりは求めに応じて、彼らに同行してくれます。が、ジンジャーはモンビに相談して、チップ達がエメラルドの都へ戻って来ることを妨害するのです。道中、巨大(人間と同じくらい)なムシの学者、ムシノスケも加わります。

 一行はエメラルドの都へと戻りますが(女性が怠けて男性が働く国となっていた)、逆にジンジャーに囚われてしまいました。それで、魔法の粉を使って、ガンプの頭をつけた<空とぶもの>を作り出して脱走し、今度は南の魔女グリンダに助けを求めます。グリンダは、オズの正当な後継者は<オズマ>という行方不明の王女で、これにはモンビが関わっていると言うのです。

 エメラルドの都へと再々度戻り、今度はグリンダとモンビが対決します。モンビに勝ったグリンダは、オズマの行方を問い詰めます。すると、モンビはチップこそがオズマであるというのでした。モンビはオズマを男の子へと変えていたのです。ジンジャーは今度こそ打ち負かされ、降伏します。そして元の姿へと戻ったチップはオズマ姫として、オズの正統な支配者となるのでした。

 

―登場人物ー

チップ(オズマ):主人公。やんちゃないたずらっ子。好奇心旺盛でわりと器用。口が悪い。ドロシーより幼い感じがする。

ジャック:気のいいカボチャ頭。すごいマイペース。あまり賢くない。

木挽き台:ちょっと気性が荒い。意外と常識がある。

かかし:…知性はどこへいったと聞きたくなることがしばしば。穏やかな変人。

ブリキの木こりニックという名前があったことが判明。ウィンキーの国では「王」ではなく「皇帝」と呼ばせているらしい。ロマンチスト。かなり器用。

ムシノスケ:空気の読めない自信家。豊富な知識を持つ。

グリンダ:最強の魔女。ルールを破らない。

モンビ:北の国では<魔女>が住むことが禁じられていたが掟を破る。

ジンジャー:プライドが高く気の強い女の子。贅沢や楽しいことをすることだけを考えている。苦労や我慢はもってのほか。典型的な<バカなイマドキの若い女の子>のイメージ(めっちゃ昔の作品ですが;)。ただ、この思想で国を制圧する実行力はすごい。

パストリア:オズの国の正統な元支配者。<オズの魔法使い>によって王座を奪われた。

 

ーその他ー

☆オズの国の時間経過

 チップ少年は10歳前後のイメージ。「オズの魔法使い」で、オズは若い頃にエメラルドの都へ来たと言っている。そして、そのうちに年をとって老人となった。…??一体オズマはいくつ?

☆パストリアの行方

 ・オズがエメラルドの都を作ったと言っている。…オズのウソ?

 ・王座を奪われたパストリアはどうなったのか。まさか…;

☆北の魔女

 モンビが掟を破ったにもかかわらず、北の<よい魔女>は何をしていたのか。

 

ー感想ー

 「オズの魔法使い」の続編。読者の要望により書かれたようなので、後付け設定が多いのかも。あまり気にせず読んだ方がよいでしょう。

 主人公のチップ少年は本当にかわいい男の子でした。この子が実はオズマ姫(美少女)というのは、なかなかおいしいと思います。それより臆病ライオンが登場しなかったことが、ものすごく気になりました。何故でしょう?

 前作が「家に帰る」ことを目的とした冒険物語だったのに対して、今作は「王都奪還」を目的とした冒険物語となっています。「戦争」といっても実際に殺し合いの戦いではありませんが、兵隊という言葉が出てきたりと、前作とはちょっと趣が異なっていた気がします。もっとも前作の方がばんばん殺害シーンが出てきましたが(今回は殺されたものはなかったはず)。

 あと、なんとなく世相が表れていたのかなぁとは思いました。当時のアメリカがどうだったのか分かりませんが、女性の人権運動が活発な時代だったんでしょうか。女性の権利主張を誇張して描いているような。最終的に男性だけでなく女性からしても必ずしもその状況が好ましいわけではない、と悟るあたりが皮肉っぽいです。

 とはいえ、相変わらず謎の生命体がたくさん出てくるあたりがオズでした。そしてみんな自由。自分を曲げずにきっちり主張するのも相変わらず。でも、ちゃんと関係が悪くならないように気を配る努力をお互いがしています。

 グリンダは「正義」を司っていると思います。この世界では「力」がすべてです。打ち負かした方が勝ち。勝ったものが権利を得るのです。なので、ジンジャーが王座を奪い、女王を名乗っている以上、彼女が「女王」であるとグリンダは言います。というのも、かかしの得た王座はオズから譲り受けたものではあるけれど、その王座自体が奪い取られたものなので、もともと正当な権利の上にないものなのです。だから、かかしとジンジャーで正当な権利がない上での「王座」の取り合いとなっている以上、奪った方が勝ち、となるのです。このためグリンダはかかしへ王座を返す手伝いをする必要はないとしますが、王座に正当な権利を持つ者を就かせる(オズマを探し出す)ことには協力します。また、ジンジャー、モンビに対しても「約束」は必ず守ります。いくら相手が非道なことをしていても、きちんとしたルールの範囲で勝とうとします。ルールを守って勝つといったところに、グリンダの「強さ」と「正しさ」が表れているようです。

 ジンジャーの強烈なキャラクターのおかげで、モンビの影が薄く感じました。ジンジャーは高慢で自分の欲望に正直です。その分単純で、どこか憎めないところがありました。自分の欲望のためだけに反乱を起こすのですから。しかもその欲望が若い女の子らしい可愛いものだし。やってることはむちゃくちゃで、迷惑極まりないですが。敵対勢力がこんな相手だからこそ、現実味が全然なくて話が重くなりすぎずによかったのかもしれません。

 

オズの魔法使い

 ものすごく有名なファンタジー作品。ナルニアの映画を見ていたら、昔見たオズの映画を思い出したので見てみました。ミュージカル仕立てのじゃなくてディズニー版のやつです。子どもの頃初めて見た時はめちゃくちゃ怖かったです。ファンタジーというよりはホラー。車輪人間に追いかけまわされるところと、首のコレクションが叫ぶシーンは今見ても怖かった。あまり覚えてなかったけど、冒頭部分からホラーっぽい感じでした。子供向けの映画とは思えない…。あとオズマ姫がかわいかったです。

 

 オズシリーズはハヤカワ文庫から出版されたものを全巻読んだはずなんですが、あまりにも前すぎて全然内容覚えていません。映画見ても、登場人物や設定は確かこんな感じだったけどなーくらいしか。そんなわけで、読み直してみることにしました。

 

 まず1作目の「オズの魔法使い」。すごく有名。きちんとしたストーリーを知らなくても登場人物やざっくりとしたあらすじくらいなら、大抵の人は知っているのではないでしょうか。とにかくネタの宝庫だと思います。

 

ーあらすじ(今更ですが;)ー

 カンサスにヘンリーおじさんとエムおばさんと暮らしていたドロシー(みなしごだったらしい)は犬のトトとともに、竜巻で家ごと知らない世界へ飛ばされます。そして、家は東の悪い魔女の上に着地し、魔女は死んでしまいます。そこにいた北の良い魔女に、家に帰るにはエメラルドの都に住んでいる「大魔法使いのオズ」に頼むしかないと言われます。ドロシーは悪い魔女の履いていた<銀の靴>を譲り受け、トトとともに黄色いレンガの道を辿ってエメラルドの都へ向かうのでした。

 旅の途中で脳みそ(知恵)が欲しいかかし、心臓(こころ)が欲しいブリキの木こり、勇気が欲しい臆病なライオンと出会います。彼らもまたオズに会って願いをかなえてもらおうとドロシーに同行します。

 エメラルドの都へたどり着いたドロシー達でしたが、オズは西の悪い魔女をやっつけなければ願いは叶えないと言います。なんとか西の魔女を消すことに成功したドロシー達は、今度こそオズに約束を守るように迫ります。ところが、オズは実はドロシーと同じアメリカから来たただの人間でした。そして、あろうことかオズは一人で気球に乗って(おそらく)帰還してしまいます(←故意にドロシーを置いて行ったわけではない)。

 絶望してしまったドロシーは、南の良い魔女グリンダに会ってみてはどうかと助言され、グリンダのもとへと向かいます。グリンダはドロシーの履いている銀の靴は魔法の靴で、この靴を使えばすぐにでも故郷へ帰ることができると言いました。そして、ドロシーは銀の靴の魔法で故郷へ無事に帰ったのでした。

 

ー登場人物ー

ドロシー:主人公。しっかり者の優しい女の子。わりと現実的な性格。はっきりと自分の意見を言う。騙されたと知っても許すことができる広い心の持ち主。

トト:ドロシーの大切な友達(ペットに非ず)。結構自由気ままな性格で、こいつのせいでドロシーがトラブルに巻き込まれてるんじゃ…と思うこともしばしば。

かかし:脳みそを熱望している。自分には知恵がないと思い込んでいるが、一番思慮深い。のんき。藁でできているので火に弱い。

ブリキの木こり:かかし以上にミステリアス(でツッコミどころ満載)な生命体。元は人間。身体のパーツを切り落とされるたびにそのパーツをブリキで作り直してもらい、最後には全身ブリキになったらしい…。深く考えてはいけない。こころを欲しているが、繊細で心優しい。錆びるので水に弱い。なのによく泣く。元恋人の話やブリキ職人のことやら色々気になるキャラクター。

臆病ライオン:かかしや木こりに比べたら、普通だと思う。欲しいものも現実的に手に入るものだし。自分では臆病だと思っているけど勇敢。弱点は特にない…はず。かかしや木こりのような非生物ではないのが弱点か?

東の魔女:死体となって登場したため詳細不明。木こりをブリキ人間にした原因。<銀の靴>の元所持者。

北の魔女:おばあさん。なんかおおらかそう。グリンダと違って名前はない。あまり強い魔力はないらしい。

西の魔女:ウィンキー(西に住んでいる人たち)を奴隷としてこき使っている。凶悪な部下を持っていたが、ドロシー達に殺害される。<空とぶサル>を呼び出す<金のふちなし帽>の所持者。水が弱点。

南の魔女(グリンダ):優しくて聡明な美しい魔女。見た目よりかなり高齢らしい。たぶん一番魔力が強い。

オズ:普通の人間。ペテン師。オズの国を治めていた。きちんと「国」を整備していたことから、政治家としてはたぶん有能。根はいい人。

野ネズミの女王:旅の途中で助けたお礼に、いつでも呼び出せる笛をくれた。何かあればネズミたちに手伝わせる。

空とぶサル:ボスザルの祖父が北のお姫さまゲイエレット(魔女?)を怒らせたために、<金のふちなし帽>で呼び出した相手の命令を必ず3回実行しなければならなくなった。グリンダにより自由の身となる。

 

ーその他ー

オズの国:砂漠で囲まれた世界。エメラルドの都を中心に、東西南北それぞれに国がある。

黄色いレンガの道:エメラルドの都へと導く。<悪い魔女>の城とエメラルドの都の間には道がないとのこと。…??東から旅立ったはずだが、西だけレンガの道がないのだろうか?

銀の靴:魔法の靴。色々な力を持っているらしい。カンサスに帰るのに使用されただけのため、詳細は不明。砂漠を越える途中で脱げてしまった。

マンチキン:東に住む人たち。東の色→青。

ウィンキー:西に住む人たち。西の色→黄。

カドリング:南に住む人たち。南の色→赤。

セトモノの国:すべてが陶器でできている。当然住んでいる生き物たちもすべて陶器。しょっちゅう割れたりヒビが入ったりするので、その都度修理が必要。外の世界へ出るとただの陶器の人形となるらしい。

☆仲間たちのその後

かかし・・・オズの指名により「エメラルドの都」の王となる。

木こり・・・ウィンキーの国で王となる。

ライオン・・・南の国の森で動物たちの王となる。

 

ー感想ー

 懐かしかったです。200ページちょっとで、すぐに読めました。話がテンポよく進むので読みやすいです。

 オズはあまり教訓めいたことは書かれてなくて、気楽に読める作品だと思います。敢えて言えば「友情」と「誰かが帰りを待ってくれている場所」の大切さ…でしょうか。ドロシーと仲間たちはお互いをすごく大切にしています。義理堅く、絶対に友達を見捨てるようなことはしません。自分の主張は曲げないけど、相手の意志も尊重し合える関係。こういう友達っていいですね。それから、ドロシーは故郷に帰るわけですが、仲間たちもそれぞれ「帰る場所」を冒険の中で見つけます。そして冒険が終わった後にはそれぞれの場所へ帰るのです。人にとって帰れる場所があるということは、すごく安心できることなんだと思います。

 イギリスなどの古典的ファンタジーとはちょっと雰囲気が違っていて、神秘的というか、幻想的な美しさはあまり感じられませんでした。どちらかというと、はっきりとした線で描かれた鮮やかな色合いの世界といった感じ。あと、オズの世界観ってすごく自由だと思いました。キャラクターも自由で楽しいです。みんなあまり深く悩まない。

 ナルニア読んだ時も思いましたが、普通に殺害シーンがあってびっくりしました。さすがにドロシーは殺したりしませんが。頭を切り落としたり、さらっと書いてありますが、えぐいシーンが結構ありました。まあ、童話って残酷描写多いですしね。最近の自重しすぎた感のある描写に慣れすぎなんです、きっと。昔読んだ時には何も思わなかったはずなので。

 

 

 

 

ガンダムF91

 急にガンダムF91が見たくなりました。ものすごく久し振りに見た感想。

・思ったより駆け足のストーリー(どっちかというとダイジェストっぽかった)

シーブックの母が微妙。いちおう親子は和解した形ではあるが、あれは子どもたちが出来すぎてただけ(父親の子育ての賜物)。

・2時間の作品とは思えないくらい(メインと思われる)登場人物が多い。

・モブ以外でも数えきれないくらい死亡者続出。

・ストーリーの最後にこれは始まりに過ぎないみたいなメッセージが出ていたが、本当に何も解決していなかった(セシリーの父親が暴走した挙句やられただけ)。

・MSは好き。

・もうちょっと宇宙での戦闘シーンが見たかった。

・極端に意味不明なキャラはいなかった。

 …テレビシリーズでやってほしかったと思いました。そうしたらもうちょっと全体的に丁寧に描写されたのではないかと。特にアンナマリーの裏切りやセシリーの心情変化に関しては描写不足だと思う。ザビーネなんてライバルキャラだと思っていたら、ほとんど絡みもなかったし。ドレルもどうなったんだろう(というか、結局クロスボーン対地球連邦がどうなったのかすら不明)。ちゃんと完結した物語として見たかったな。

 読んだことはありませんが、コミックで続編(?)は出ているらしいですね。

 

 

 

 

 

くさび(星新一)

 ふと思い出したので。

 学生時代に星新一の本をよく読んでいました。この人の名前を初めて認識したのは、「底なしの沼」という作品です。たまたま塾の国語の教材で出ていたのがきっかけでした。そこから星新一の本を長い間読み漁っていました。大抵の作品にはオチがあって楽しめるし印象深い作品も数多くあります。

 そんな中、ずっと心の中で引っ掛かっている作品があります。「くさび」。何度読み返してもすっきりしない、もやもやが続きます。中学生くらいの時自分の読解力が足りないのかと思って何度も読み返しました。大人になって読み返してもやっぱりわからん…と思ってネットで検索してみたら、本当に「難解」な作品として有名だったみたいですね、これ。やっぱり私だけじゃなかったんだ。今って検索したら大抵のことがわかるので、本当に便利な世の中になったもんです。

 「くさび」とは、とある夫婦の間にできた赤ちゃんによって夫婦が完全に崩壊する話です。妻にとっては存在する赤ちゃんが夫には一切見えないために徐々に夫婦の間に亀裂が入ってしまい、最後に夫は精神が病んで死んでしまいます(直接の原因は交通事故)。で、なんでこの話がもやもやするかというと、夫が最後に死んでしまったからではなく、最後まで赤ちゃんが本当に存在していたかどうかはっきりしないからです。二人の間だけの話ではなく、医者の見解まで男性医師と女性医師で正反対です。いちおう最後に夫は赤ちゃんの存在を感じるのですが、それすらも精神が病んだことによるものなのかどうか読み手によってどうとでも取れるのです。そして、一番最後の婦警の言葉もさらに意味不明。読み終わった後、結局何だったの?とオチすらよくわからず、迷宮入りします。

 感覚的に言うと、赤ちゃんは「神様」みたいな存在っぽいです。信じる人にはみえるけど、信じていない人にはまったく見えない。最後の婦警の言葉から、私はやっぱり赤ちゃんは現実には存在しなかったのではないかと思っています。ただ、食事(最初は母乳だからいいとして)や成長して幼稚園に通うようになったら、どうなるんでしょう。

 何度か読んで思ったのは、この作品に深い意味はないのではないだろうかということ。「かすがい」となって夫婦の絆を強めるはずの子どもが、この作品では夫婦の間に亀裂を入れる「くさび」となってしまった。たぶん、それだけ。…と自分を(無理矢理)納得させています。意味ありげな描写(ヒント)があっても正解には辿り着けない。

 そんなわけで、「くさび」は星新一の作品の中のどれよりも心に残るものとなりました。

 

懐かしのゲーム(3)スーパーロボット大戦

 最近ダンバインを思い出した流れで。このシリーズを知ったのはEXからです。よりにもよって外伝的作品だったため、なんか色々間違って認識していました。そもそもロボットアニメのことを全く分かっていなかったので、「ガンダムマジンガーって同じ世界観だったんだ」などと本気で信じました。ガンダム自体は知っていましたが(FCのガチャポンシリーズで)。今考えるとオソロシイ…。一時期ものすごくはまっていたシリーズです。

 とはいえ、このシリーズのおかげで見たこともないアニメの知識を得ることができました。そして、絶対に見ることがなかったであろうロボットアニメを見るようになりました。深夜に放送していたマジンガーも見ました。まさか自分がマジンガー見るとは思ってませんでしたよ。Zガンダムとかダンバインはビデオ借りて見ました。

 

第3次スーパーロボット大戦

 中古で買いました。…それがいけなかったのか、しょっちゅうセーブデータが消えていました。1周目はなんとかクリアしましたが、2周目で挫折しました。最後の方なんか起動させる度にシャアが出てきては「認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを」という例のメッセージを出すので、本当に腹立たしかったです。面白かったので、もうちょっとやりたかったのですが、無理でした。

スーパーロボット大戦EX

 弟が友人から借りてきたもの。後ろから見ていました。初め見ていたのがマサキだったので、てっきり彼がシリーズの主人公だと思っていました。前述のとおりガンダムはガチャポンシリーズでしか知らなかったため、パイロットの顔グラフィックを見て感動しました。

第4次スーパーロボット大戦・S>

 両方やっていたはず。…が、PS本体はあるのにソフトがない…。そしてメモリーカードにデータも残ってない。昔はお金がなかったので、次々データを消して使っていたのが原因かもしれない(よく覚えてないですが)。面白かった…はず。EXの後にこれをやって面白くて、第3次を買ったから。でも、全然内容を覚えていません。

スーパーロボット大戦F・F完結編>

 これがやりたいがためにSSを買いました。もう手元にないですが。置いとけばよかった…。内容はあまり覚えていませんが、なんかマニアックだった。イデオンエヴァがクローズアップされてた気がします。オプションのキャラクター辞典に一言モードがあって、キャラクターが色々喋ってくれるのが好きでした。キャラによってボリュームにばらつきがありましたが。あと、ロボット辞典も興味深かったです。これのおかげで原作のアニメに興味が出たくらい。このゲームはオプションが充実してたと思う。ゲーム終了時のメッセージも面白かったし。ただ、頻繁にデータが消えてました。さらに他のゲームのデータも一緒に消えてました。そして、何故か再起動すると復活してました。…??SSの仕様なのかと思っていましたが、最近になって、あれはソフト自体のバグであることがわかりました。なんというソフトだったんだ。

スーパーロボット大戦α

 たぶんシリーズで一番時間かけてやったと思います。これについては全ルート攻略しました(難易度的に楽だったからかも)。ですが、何故かどうやってもキャラクター辞典が100%になりませんでした。いまだに誰が足りないのかわからない。…後で調べたら、バグらしいですね。スパロボの中では一番バランスが良かったと思います。オプションがちょっと残念でした。オープニング後のデモもなかったし。

スーパーロボット大戦α外伝

 未クリアだと思っていたら、一回はクリアしていたみたいです。相変わらず内容はあまり覚えていません。∀(←文字の変換にあったのがびっくり)とザブングルの印象が強い。難易度的にはαより高いと思います。途中でやめてしまったのは、難易度というよりは戦闘中のセリフ…かな(特にMSパイロット)。なんというか、一部不自然な気がして。αではキャラクターによってバリエーションにかなり差を感じましたが、あまり不自然な気はしなかったです。そのため、外伝では余計に不自然さを感じました。

スーパーロボット大戦IMPACT

 未クリアです。弟がクリアしたのは見ていました。途中までは真剣にやっていたのですが、他のゲームをやり始めたこともあり、飽きてしまいました。長かったんです…。このゲームやって、Gガンダムを知りました。セリフとか覚えてしまいましたよ。今でも脳内再生できそう。さすがにアニメ見たいとまでは思いませんでしたが。思い出したらやり直したくなってきた。

新スーパーロボット大戦

 ロボットがリアル等身で登場してました。発売当時、微妙だと聞いたことがあって手を出さなかったのですが、中古で偶々見つけて何となく買ってしまいました。思ったよりは面白かったです。これも全然内容を覚えていませんが、普通に楽しめた記憶があります。αやった時にSRX何それ?とか思ってましたが、ここで登場してたんですね。

 

 このシリーズは、お気に入りのパイロットやロボットを強化して戦うのが楽しかったです。あと、セリフやキャラ同士の掛け合いとか。ストーリーについてはあまり気にしていなかったのか、ほとんど覚えていません…。

 そういえば、スパロボとちょっと違うとは思うのですが、SFCで「魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL」というソフトがありました。自分では一切やってませんが、弟がかなりはまっていて、ずっと後ろから見ていました。世界観的にはEXで、魔装機神系での完全なオリジナルキャラでのストーリーです。こっちは従来のスパロボと違ってカオスではないので、ストーリーも漠然とではありますが覚えています。音楽も各主要キャラに用意されていて、その音楽がすごく好きでした。Fにも登場していて、何度も聴いていました。音楽だけでもまた聴きたいなあ。このシリーズが完結していたことを最近知りました。

ナルニア国物語 感想(映画版)

 ナルニア国物語は映画になっていますね。3作だけ。過去にテレビで放送されていたのですが、当時は興味が湧かなくて見たことはありませんでした。ちょうどペベンシー兄妹が登場するところまでです。本を読んで気になったので、Amazonで見ました。吹き替え版の方です。

 まあまあ面白かったです。自分のイメージとちょっと違うあたりも新鮮だったし。原作を知らなくても、楽しめると思います。一緒に見ていた母は楽しんでいたようなので。作品が進むたびに原作から離れていってる気がしました。

 

ライオンと魔女

  吹き替え版だったのが悪かったのか、「魔女」に違和感が…。あと、タムナスさんが男前でびっくりしました。もっと中年のおじさんっぽいのを想像してました。

 兄妹の中では、ルーシィが一番違和感がなかったです。逆にスーザンは私の中ではかなり微妙でした(もっと美人のイメージだった…すみません;)。エドマンドは思っていたより整った顔立ちでした。なんか賢そう…(賢いキャラなんだけど)。ピーターはビジュアルがどうとかいうより、性格がだいぶイメージと違った。

 わりと原作に忠実でした。ちょっと冗長な感じはしましたが。それと、私の大好きなシーンがなかったのが残念でした。ルーシィとスーザンが、アスランが犠牲になったことをエドマンドに伝えるかどうか言い合うところです。あの場面は私の中ではすごく重要だったのに…。本当に残念。

 

カスピアン王子の角笛

  ちょっと(?)原作と違っていました。それはいいとして、長かったです。150分もありました。実際の時間はともかく、長く感じました。原作にはなかった戦闘シーンがあったのですが、必要あったのかなあと思いました。映画的には盛り上がるんですかね。そもそも、私のこの作品に対する印象が「ひたすら道に迷っている」だったせいか、戦いのイメージがなかった。それでも大まかな流れは大体原作通りでした。

 ストーリー以上に原作との違いを感じたのは、むしろキャラクターの方でした。一番イメージと違うのはピーター。今回も色々な意味で大活躍でした。エドマンド、ルーシィは特に違和感なし。エドマンドはかっこよくなりましたね。スーザンは、大人っぽい少女といった感じでしょうか。「ませた」という意味ではなく、しっかり者で落ち着いた方で。ピーターとは逆です。あと、カスピアンとの恋愛要素があってびっくりしました。カスピアン自体も原作より年上でしたし。そして、カスピアンもピーター同様、ちょっと性格が違いました。

 戦闘シーンでだれてしまいましたが、それ以外は十分楽しめました。

 

アスラン王と魔法の島

  113分。最初時間を見た時は「えっ?」と思いました。原作が他2作品に比べて長いのに、めちゃくちゃ短くなってます。この作品は、配給会社や監督が前作までと変わっているらしいです。

 たぶん、一番まとまっていた気がしました。無駄がないというか。原作のエピソードを入れつつ、大幅にアレンジされていました。「剣を集める」というわかりやすい目的を作ったのは良かったと思います。ラスボス(?)みたいなのもいたし。ポイントは押さえてあったので、別物というほどではなかったです。

 今回はユースチス初登場でした。原作よりマイルドというか、むしろお笑い要員のような感じに。原作の方は、本当に嫌な子だった。ルーシィとエドマンドは成長して、ちょっと大人っぽくなっていました。

 原作を気にしなければ、映画としては一番見やすかったと思います。