びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

はてしない物語(3)

 自分用備忘録。後半の続き。なかなか進みません。

 

■ アイテムなど

▪ アウリン

 幼ごころの君の任命を受けた者がつける宝のメダル。幼ごころの君の名において、女王の権力を使うことができる。

 明と暗の二色の蛇が互いに相手の尾を噛み楕円につながっていて、裏には「汝の 欲する ことを なせ」と書かれている。

 ファンタージエンの住人と人間が持つ場合では違った働きをするらしい。アトレーユが持っている時は彼を正しい方向へと導き守ってくれるもので、特に代償はない。一方、バスチアンの場合なんでも望みを叶えてくれるが、それと同時に元の世界の記憶が失われる。

 アウリンが望みを叶えられるのは、元の世界のことを思い出せる間だけとなっている。

▪ シカンダ

 グラオーグラマーンから渡されたバスチアンのための剣。バスチアンにその名を付けられたことで、力を持った。無敵の剣だが、あくまでも鞘から抜けるのはその必要があった時のみで、バスチアンの意志で抜くことは許されない。グラオーグラマーンから「バスチアンの意志で鞘から抜けば、彼自身とファンタージエンに大きな災いがもたらされる」と忠告される。しかし、結局彼はシカンダを自らの意志で抜き、アトレーユに傷を負わせた。

 自分の過ちに気付いたバスチアンは、穴を掘って地中深くに埋めてしまう。

▪ アル・ツァヒール

 アマルガントの図書館に収められていた宝。透明なガラスのように見える石だったが、バスチアンが名付けたことで光を放つようになった。灯としての役割を持っていたが、星僧院で力を放ったことで光を失ってしまう。このためミンロウド坑の闇を照らす手段はなかった。

▪ ゲマルの帯

 サイーデから渡された姿を見えなくする帯。いくつもの節が鎖のようにつながった細いベルトで、透き通ったガラスでできている。バスチアンがその名を付けたことで、彼のものとなる。

 ベルトの力でアトレーユとフッフールがバスチアンからアウリンを盗む計画を聞いてしまい、これがきっかけでバスチアンとアトレーユは別れることとなった。

 イルアンが命がけで守ったベルトだったが、バスチアンは彷徨う中でそれを落とし、失くしたことさえ気付かなかった。

▪ 生命の水

 ファンタージエンの境にある泉から湧き出る水。これを見つけることができた者だけが元の世界に帰ることができる。

 

■ 別の物語

▪ グラオーグラマーンとの別れ

 バスチアンが別れ際に再び戻って来ることを約束するが、その約束は守られることはない。ずっと後になってバスチアンの名において約束を果たしてくれるものがいるのだが…。

▪ ヒンレックの竜退治

 バスチアンが失恋したヒンレックのために作った物語。竜を退治してオグラマール姫を助けるが、姫と結婚する気持ちはなくなっていた。

▪ イハの恋人

 バスチアンがイハを追い出すために作り上げた物語。彼女に恋い焦がれる牡馬と結婚し、翼を持った白いらばの息子を生む。息子はファンタージエンで評判のらばとなった。

▪ 沈思黙考の三師の分裂

 アル・ツァヒールが映した幻影を見た後、三人の間で根本的な意見の相違が生じ、結局僧団は解体する。三師は別々の僧院を作った。

▪ シカンダ

 今もまだ地中に埋まったままとなっている。なんの危険もなしにこの剣に触れることが許される者が来るのはずっと先のことだろう。

▪ 三人の騎士のその後

 サイーデの最期を見た後、それぞれがバスチアンを探す冒険の旅に出る。

▪ ゲマルの帯

 バスチアンが落としていったゲマルの帯はかささぎが巣に持ち帰った。そこから別の物語が始まる。

 バスチアンが元の世界へ帰るためには、彼がファンタージエンで始めた物語すべてに結末をつけなければならない。このため、アトレーユがバスチアンに代わってそれを引き受けることになった。

 アトレーユがグラオーグラマーンに会いに行ったのでしょうか…。

 

 もっとあった気もしますが…。

 

■ バスチアンの望みと真の意志

 バスチアンが望みを持ち、それを辿って行くことで「真の意志」を見つけることができる。

 ×印は望みを叶えたことで失った記憶

▪ 美しい容姿になりたい  ×元の容姿についての記憶

 バスチアンの最大のコンプレックスだったと思われる。幼ごころの君に会いに行くを躊躇した理由の一つでもあった。

▪ 強くなりたい  ×弱さや不器用さ

▪ 粘り強さ  ×神経質で愚痴っぽい性格

▪ 勇気  ×臆病さ

▪ 一人ぼっちでいたくない(感嘆され名声をあげたい)/ アトレーユに会いたい

▪ アトレーユに無条件に尊敬してもらいたい → 物語を作る

 アマルガントの歴史を作る、ヒンレックの竜退治

… ×元の世界での日常のあれこれ?

▪ 善意と無私の人として有名になりたい → アッハライをシュラムッフェンに変える

 ×学校の子どもたち、自分をからかった子ども

▪ みなに怖がられる存在になりたい(アトレーユとフッフールが自分のことを保護の対象と見ていることが気に入らない) → サイーデの登場

 ×元の世界で子どもであったこと

▪ イハを追い出すために物語を与える 

▪ 賢くなりたい(最も知恵のある賢者になる) → 星僧院のイベント

 ×学校へ通っていたこと、「はてしない物語」の本を手に入れた経緯

▪ 仲間が欲しい、グループに入れてもらいたい → イスカールナリの登場

 ×元の世界には、人間はそれぞれ別の意思を持ち、個性があるということ

▪ 愛されたい → アイゥオーラおばさまとの出会い

 …何か失ったのか??

▪ 愛すること(*最後の望み)

 ×両親のこと

▪ ×自分の名前 ← ミンロウド坑で元の世界へ帰る鍵となる絵(記憶)を見つけたことで、記憶の波にさらわれてしまった

 

■ 感想 

 前半はアトレーユの物語でしたが、後半はバスチアン自身が「はてしない物語」の主人公となって、ファンタージエンでの物語を作っていきます。そして、無事に元の世界へ帰るまでの道のりが描かれます。

 バスチアンが幼ごころの君から受け取ったアウリンは、なんでも望みを叶えてくれるものでした。そして、彼は次々と望みを叶えていきます。そして、彼が望みを叶える度に元の世界の記憶が失われていくので、読んでいてどんどん不安になっていきます。アトレーユとの微妙な距離感やサイーデの登場は、バスチアンが破滅に向かう嫌な予感しかしませんでした。

 彼自身が嫌っていた自分の欠点を消していくため、徐々に本来の人格が失われてしまいます。それでも満たされないのは、彼自身がどうありたいかがわかっていないからでしょう。最終的に彼は「愛すること」という答えを見つけることができます。アイゥオーラおばさまの「ぼうやはそれまで、自分とはちがう、別のものになりたいといつも思ってきましたが、自分を変えようとは思わなかったからです」の言葉は核心を突いていました。ありのままの自分を否定するのではなく、受け容れることが幸せに繋がる、アウリンの力はそれを見つけるための道標のようなものだったと思います。

 最終的にバスチアンは精神的に大きく成長し、また父との関係が大きく変化します。ネグレクト気味だった父が息子を見て、しっかりと愛情を注いでくれるようになりました。父親の変化はバスチアンがいなくなったことで、息子への愛情を思い出した感じなので、これについてはアウリンの力というかファンタージエンからの力が影響を与えたようです。この好循環こそが「生命の水」の力なのかもしれません。

 アウリンは、どんな願い事でも叶えてくれるもので、ただしその回数は有限。それまでに自分の本当の願いを見つけなければなりません。それは自分自身と向き合うことだと思います。願っても願っても満たされないのは、本当に欲しいものとは違うから。自分が満たされるものを限られた回数の中で見つけることができるかどうかは持ち主次第で、世界を救ってくれた者に与えられる褒美としては、厳しすぎるような気がします。まあ、帰れなくなっても本人が自覚することはないから、特に不幸と思うこともないのでしょうが。この毒と薬のような力を持つアウリンは、善悪の概念がないという幼ごころの君の性質を体現していると思います。異世界に呼ばれた英雄が必ずしも善良な心の持ち主とは限らないあたりが、この世界の面白いところです。むしろ、どこか満たされない心の弱さがある者の方が圧倒的に多そうです。

 ファンタージエンに呼ばれる人の要件みたいなものはあるのでしょうか。この「はてしない物語」は、バスチアンの成長という点では非常にシンプルでわかりやすい構成となっていたように思います。一方、ファンタージエンという世界観はかなり難解で、ストーリーとのバランスが絶妙だと感じました。次はファンタージエンについて、もう少し色々考えてみようかと思います。

 

 …本来は今回で終わらせようと思っていましたが、気力が維持できず思考もうまくまとまらないので、途中で終わることにしました。年内にはまとめたいです。たぶん、もうそんなに長くはならないはず。