びんのなか

想い出話や感想文など。読書メモが多め。ネタバレだらけです。

夏目友人帳を振り返る(5)

 情報量が多くなってきました。

 

■■ 18巻

■ 第七十一話

 師匠の後継者争いを一方的に仕掛ける妖と、勝負を挑まれる兄弟弟子の話。

 

■ 第七十二~七十三話

 名取と箱崎邸の遺産を探しに行く話。妖関連の莫大な資料が眠るとされる箱崎邸。箱崎氏の孫の女性は、妖と縁を切って屋敷を手放したいと考えている。屋敷には妖の資料は「書斎」にしまわれているとされるが、実際には書斎らしき部屋が見つからない。このため、書斎の中身は見つけた者に譲るので書斎を見つけてほしいという。

 夏目は孫の思い出話と箱崎氏の家族写真から、箱崎氏の式である龍が守る書斎の表口を見つける。同じく遺産探しに来ていた的場一門の七瀬達に裏口が見つかり、強引にこじ開けられそうになる。箱崎氏の遺産を守る龍たちは、炎とともに主の遺産を持って行ってしまう。わずかに残った遺産を夏目と名取は拾い集める。

 

<登場キャラクター>

▪ 箱崎

 箱崎邸の主。腕のいい祓い屋で研究家だった。変わり者で、妖たちを集めて楽しい日々を送っていたらしい。(見ることができない)家族には理解されず、寂しさも感じていたようだ。

▪ 箱崎氏の孫

 まだ名前は出ていない(はず)。祖父のことが理解できず、妖に対してよい感情を持っていない。

▪ 会宮

 祓い屋仲間。遺産探しに名取を誘った。

 

* 箱崎邸で出会った妖に「ずっと前に会ったことがある気がする」と言われる。

* 箱崎氏は「駆け込み寺」のような面を持っていたらしい。妖にとっての、という意味だろうか。

* 箱崎氏の式である龍に、「お前に面差しのよく似た男にあったことがある気がする」と言われる。夏目は祖父のことではないかと考える。

* 夏目が友人帳のことを名取に話す。

 

■ 特別編16 夢幻のかけら

 女の子が、助けた梟に忘れ物の指輪を返しに行く話。梟の本来の姿である妖に名を返しに来た夏目と出会う。

 

■■ 19巻

■ 第七十四話

 夏目と田沼が柴田に会って、妖退治をする話。柴田の地元の空き家に棲みついていた妖に目を付けられたため、柴田とともに田沼の家に泊まって妖を迎え撃つことに。

 

* 柴田の名前は「カツミ」。

 

■ 第七十五話

 不浄のものを浄化する「石洗い」の弟子探しを、犬の会メンバーと手伝う話。

 

■ 第七十六話

 美しい妖(キブネ)を巡って争う二匹の妖に、勝負を挑むレイコの話。この件でキブネと両想いになった妖(ゴモチ)が結婚式の招待をするため訪ねて来る。

 

* レイコは夕方までには家に帰らなければならない。家の者のことを「気の毒な人たちなの こんな荷物おしつけられて」と言っている。両親はいない?

 

■ 第七十七話

 箱崎邸で的場の妖退治に付き合う話。箱崎氏の孫、紅子の依頼で箱崎邸を訪れた夏目は、一門の後始末にやって来ていた的場たちに遭遇し、妖退治を手伝うことに。その際、的場の右目を狙う妖の襲撃に遭うが、的場はそれを利用して目的の妖を消し去る。

 

* 夏目は箱崎邸に祖父の手がかりがあるのではないかと考えている。紅子も遺品の中で何か見つかれば連絡すると言ってくれる。

* 的場頭首の右目を狙う妖について。図体が大きく真っ黒で、非常に強力な力を持っている。月に一度襲って来るが、躱されると帰っていく。的場や一門の者たちが右目を模した傘をさすことで、妖は目移りして見失うらしい(的場が番傘を携えているのはこのため)。普段は幼稚で知的とはいえないが、偶に狡猾になることがあり、的場や一門にとって懐かしい人や知っている人に化けて現れる。ただし、右目がないのですぐばれる。

* 縁や執着が強くなればなるほど、的場家の力も強くなっていく。

 

■■ 20巻

■ 第七十八話

 妖のありがた迷惑なお礼のおかげで、夏目が子どもの姿になってしまう話。田沼と多軌が面倒を見てくれる。

 

■ 第七十九話

 合宿先の近くの社に置かれた四つの面と、彼らが守っていた山神様の探し物の話。一人残った山神様のお付きが、合宿に来ていた先生や生徒に憑りついたりする。

 

■ 第八十話

 妖に勝負を挑まれた家主を守る話。家主から依頼を受けた名取に出会った夏目は、偶々見かけた案山子の妖の一群の話をする。詳細を知るため、名取は夏目を連れて旧知の依島の家へ行く。

 

* 依島家は、かつては的場一門と張り合う程の祓い屋一族だったが今は廃業して山に籠っている。

* 依島は夏目を見て「何を連れている」と言う。名取には「変な感じの子」「知っているような知らないような」「いろんな気配がする。何か妙なものに憑かれているか、持っているか」と言う。

* 名取は依島に「夏目レイコ」「友人帳」について知らないか問うが、知らないと答える。

* 依島の家はニャンコ先生(妖?)にとっては気持ちの悪い空間だが、夏目にとっては落ち着くところだった。夏目は依島のことを「怖いような 懐かしいような 妖と話している時と似ているような」と感じていた。

* 依島は見た目よりは歳がいっているらしく、半身妖だという噂もある。「妖に左腕を喰われたが腕が戻っていた」「妖が左腕になりかわって憑りついている」などと言われているらしい(左腕にギプスみたいなものをしている)。

 

■ 第八十一話

 箱庭の屋敷の修繕を手伝う話。美しい女神を迎えるため、屋敷を調えようと夏目に手伝いを頼む妖たち。

 

■■ 21巻

■ 第八十二話

 神格の妖を起こす役目を担う妖を手伝う話。ヒノエや中級も登場。

 

■ 第八十三話

 北本と古本屋を守る妖の話。

 

■ 第八十四話

 夏目の作ったミニ先生(ニャンコ先生を模して作った粘土細工)に仏像のカケラの魂が入ってしまう話。

 

■ 特別編17 伸ばした手は

 名取に憑りついた妖を的場の協力で取り除く話。名取は瓜姫を式として迎える。

 

* 七瀬は的場一門に入ったことで、新しく式を迎えることはできない。使えるのは古くから七瀬についていた式のみだが、一匹は汚れて逃げてしまった。

* 的場にかかわる一門もまともな妖とは絆を結ぶことはできない。

 

■■ 22巻

■ 第八十五~八十六話

 妖に愛される旅館を、常連の妖とともに邪悪な妖から守る話。田沼と多軌と一緒に妖関連の展示会を見に旅館を訪れていたが、急な雨が降ってきたため一泊することに。

 

* 多軌は祖父の資料から、かなりまじないの知識が豊富。謎の文字も読めたりする。

 

■ 特別編18

 妖怪に会いたい少年に付き合ってやるニャンコ先生の話。

 

■ 第八十七話

 夏目の姿をした妖が毎晩西村を訪ねる話。西村が人形の指を拾ったことで、人形がやって来ることになった。

 

■ 第八十八~八十九話

 友人帳に最初に名を書いた妖とレイコの思い出話。レイコのお気に入りの森で本を読んでいた守永蒼子は、レイコのことが大好きで友達になりたいと願う。そして名前を聞くため勝負を挑み続けるがー。

 

■ 特別編19 雨宿りの廃駅

 雨宿りをしに訪れた廃駅で的場と遭遇する話。的場は依頼先で捕らえた妖を処分するために来ていた。

 

 

 レイコと蒼子の話が切なかったです。二度と会うことはなかったでしょうが、何らかの形で蒼子がまたレイコに関わることがあったらいいなと思います。北本もそうですが、西村は本当にいい人。

 的場の「おれと約束してくれる妖がいたら きっと大切にするんだけどなあ」というセリフが印象的でした。