びんのなか

想い出話や感想文など。ネタバレだらけです。

オズまとめ(1)

 オズシリーズ14冊全部読んだ感想と考察(?)を。主に「エメラルドの都」くらいまで。

■□感想■□

 (たぶん)20年以上前に読んだせいか、ほとんど内容を覚えていませんでした。いや、本当に読んだのか疑わしいレベルで。

 あらためて読み直すと、いろんな意味で面白かったです。とにかく作品ごとにツッコミどころが多くて、他作品との矛盾点だらけでした。設定がころころ変わっているので、あまり深く考えてはいけないと思いつつも、やはり気になります。そのあたりを自分なりの適当な想像で補うと楽しいと思います。それにしても、「ええっ…どういうこと?」を感じずに済んだ作品て、ほぼなかったような…。敢えて言えばリキティンクくらいか。特に「オズのエメラルドの都」でいったん完結したせいか、「オズのつぎはぎ娘」以降はパラレルワールドではないかというくらい設定が違いました。

 

  オズシリーズを一言でいえば「おもちゃ箱」でした。とても色とりどりで楽しいものがたくさん入っている、そんな感じです。作品それぞれが独立した個性をもっていて、ドロシー以外の視点で語られている番外編や外伝的作品も多いです。また、作品自体の構成も複数のパターンがあるので、そこまでマンネリ感を感じませんでした。

 作品全体の共通点としては「ハッピーエンド」これに限ります。すべてが丸く収まって、みんな幸せになります。悪いものは懲らしめられ、正しい道へと導かれます。ご都合主義といえばそれまでですが、そこがオズの素晴らしいところだと思います。

 また、女性が強く描かれているのも特徴かと。あまり気弱なキャラクターは出てきません(ぱっと思い出すのって、「オズのチクタク」に登場したバラの王女くらい?)。大抵の女性キャラは気が強くてさっぱりしています。ネコやメンドリなど、人間でないものまで、みんな気が強く、自立しています。一方の男性陣は、どちらかというと穏やかな性格のキャラクターが多いです。が、よくわからないところでプライドが高い。たいてい変なこだわりで言い争っているのは男性(人間以外含む)キャラクターです。

 オズシリーズはあまり押しつけがましい教訓のない作品で、子どもが読むことを念頭に置かれているためか、とても素直で優しい世界です。登場人物たちは裏表のない性格で、複雑な思考回路の持ち主もいません。その一方で、社会的な問題については考えさせられる場面が多く見受けられました。子ども向けにデフォルメされてはいますが、作品ごとに何かしらの問題提起がありました。1900年~1920年にわたって書かれたこのシリーズは、日本ではまだ明治時代~大正時代(!)だったようです。それでも今でも十分通用するような問題が多く、時代関係なく同じような問題があるんだなと感じました。

 第1作目の「オズの魔法使い」がすごく有名ですが、それ以外ではいったん完結した「オズのエメラルドの都」までが比較的知られているのではないでしょうか(「オズと不思議な地下の国」「オズへつづく道」は番外編みたいなものなので除く。この2作は当初翻訳もされていなかった)。ディズニー版の映画では「オズの虹の国」「オズのオズマ姫」が元になっているし、私が子供の頃に放送していたアニメは「オズのエメラルドの都」までを再編したような内容だったみたいです。

 ここでちょっとアニメ版の思い出について。あまりにも昔に見たので、あまり憶えていませんが、とにかくオズマがかわいくなかったことにショックを受けた記憶があります。持っている本の挿絵のオズマが美少女だったので、かなり期待していたのですが…。たぶん面白かったはず。最後まで見たはずなので。

 「オズの魔法使い」は別格ですが、それ以外だと「オズのエメラルドの都」までであれば「オズのオズマ姫」が好きです。ドロシーとオズマの合流や、ノーム王初登場など重要イベントが多く、前2作の登場人物がほとんど登場します。何より大好きなビリーナが大活躍するのです(後半ほとんど登場しなくなったのが本当に残念)。物語自体もテンポよく楽しめました。

 

■□考察■□

■ オズの国

 地球上の何処かにおとぎの国があって、その中の国の1つがオズ。何処にあるかは不明だが、地図上には存在しないと思われる。イメージとしては「まっくら森のうた@谷山浩子」。

 オズの国の住人(はじめからオズに存在している者)がすべて細胞レベルで不老不死なうえ、動物が喋ることができる。ただし、これは「おとぎの国」でもオズだけのようで、周辺国にこういった特性があるわけではない。なので、バラ王国へたどり着いたロバのハンクは喋ることができなかったし(オズのチクタク)、ピンガリー島のインガ達には死が存在する(と思われる。少なくとも不老ではない)。(オズのリンキティンク)そうなると、インガやリンキティンクが何年後かにオズを再び訪れた場合、インガ達だけが年をとっていて、オズの住人はそのまま…ということになるのだろうか?

 外の世界から来た者については、いちおう不老となるが不死であるかどうかはわからない。子供向けの作品なのでアレだが、おそらくオズには生殖行為は存在しないのではないだろうか。そうでなければ人口過密状態に陥ってしまうだろうし、成長というものが存在しない世界において必要がないように思われる。きっとラーラインの魔法によってオズの国は得たものも大きかったけれど、失ったものもそれなりにあったのではないだろうか。それにしても永遠に赤ちゃんであるとか、その成長しない赤ちゃんを育て続ける母親とかってある意味怖い。

■ おとぎの国

 あらゆる不思議なものが存在する世界。人間や動物には分類できないような不思議な生物が数多く存在している。その中には魔法を使うことができる者、不老不死やものすごく長寿な者などがいる。おそらく妖精ははじめから不老不死の存在。

■ オズマ

 少なくとも「オズのエメラルドの都」までは妖精の設定はなかったと思う。ポリクロームもそうだが、「オズのブリキの木樵り」で当たり前のように魔法を使っていてびっくりした(ポリクロームは「オズのチクタク」で妖精であると明言されていたが)。

 当初の設定では、オズ王家の末裔。ちゃんと父(と祖父)がいた。しかし、その後ラーラインがオズの支配者として置いて行った妖精という設定に。

■ オズマの魔法

 登場してしばらくは魔法が使える感じではなかったので、魔法を使う能力はあったけれど、はじめは知識や技術が足りない状態だったのだろう。“オズマ”に戻るまではずっと普通の人間の男の子だったから。

■ オズの歴史(私の妄想なのであまり真剣に受け取らないでください;)

1.おとぎの国の砂漠の中心にオズという国があった。この国はオズ王家によって治められていた。

2.ある時4人の魔女が王を誘拐して王位を剥奪し、東西南北にオズを分割した。王は北のモンビによって幽閉された。その後、王の息子(と妻)も幽閉された。

3.北と南はよい魔女がわるい魔女を斃して、支配権を剥奪した(依然王とその息子は幽閉されたまま)。

4.オマハから<魔法使い>がやって来て、エメラルドの都をつくりオズを統一した。

5.オズの前支配者について知った<魔法使い>がモンビを訪れた。モンビは真実を語らず、知らぬ存ぜぬを貫き通していた(罰せられることを恐れたから?)。

6.前王の息子の妻は子ども(=オズマ)を身籠っていた。その頃、偶々上空を通りがかった妖精の女王ラーラインがオズを「理想郷」に変えることにした。そのためには妖精の支配者が必要だと考えたラーラインは、オズの正統な支配者の血を引く胎内にいるオズマを妖精とした。

7.オズマが生まれてオズは理想郷となった。オズマが生まれたことを知ったモンビはオズマと両親、祖父を殺すことにした。オズマは妖精であるため殺すことができず、人間の男の子に変身させ、妖精の力を封印することが精々だった。そして、オズは「完全な理想郷」ではなくなってしまい、(不老)不死の効果は停止した。このためオズマの両親たちは殺されてしまった。(少なくとも何年かは不老不死の世界だったと思われる。ブリキの木樵りがブリキ人間になったくらいだから)

8.ドロシーが竜巻でオズの国へやって来て、西と東の悪い魔女が消滅する。<魔法使い>は外の世界へと帰り、かかしがオズの支配者となる。<オズの魔法使い

*この頃のオズには「死」が確実に存在していた。「オズの魔法使い」は結構残酷な描写が多い。

9.ジンジャーによるクーデターでかかしが王座を剥奪される。その後、グリンダによってオズマが元の姿に戻り、妖精の力を取り戻したことで、オズは再び「理想郷」となる。<オズの虹の国>

10.ドロシーが嵐の海原から再びオズへやって来て(厳密にいうとエヴの国だが)、オズマと出会う。ドロシーとオズマは親友となり、ドロシーはオズの王女となる。<オズのオズマ姫>

11.ドロシーが地震で三度オズへ(最初に着いたのはおとぎの国の別の場所)。この冒険で<魔法使い>と再会。<魔法使い>はオズの住人となる。<オズと不思議な地下の国>

12.ドロシーがオズマの誕生日パーティーに呼ばれる。ここで出会ったモジャボロがオズの住人となる。<オズへつづく道>

13.ドロシーがオズマに頼んでヘンリーおじさん、エムおばさんとともにオズの住人となる。以前打ち負かしたノーム王が復讐を企てたため、グリンダによってオズは外の世界から(周囲の国からも?)隔絶される。<オズのエメラルドの都>